あの戦争をどう記憶していくか。戦後75年を経て切迫感を増す難題に、マンガという表現方法で挑む人たちがいる。戦争を知らない世代の表現者たちから読者たちへ――。今の社会が感じる「戦争のリアル」を模索するなかで見えてきた、戦争との向き合い方とは。
僕の絵柄だからこそ、描けた 武田一義さん(マンガ家)
僕の描くキャラは3頭身で、かわいい絵柄です。戦争を描くからもっとリアルにしよう、とは思いませんでした。自分のような絵柄はむしろ強みになるはずだと、最初から思っていたんです。
戦争だから、残酷な部分も描かなくてはいけない。戦場で、ついさっきまで生きていた仲間が砲弾を受けて、一瞬で身体がバラバラになったり、日米両軍の兵士が互いに敵兵の死体を損壊したりする描写もあります。それをリアルに描いてしまうと、読むほうがつらくなる。僕のような絵柄だからこそ、描けたという部分はあると思います。
拡大する「ペリリュー 楽園のゲルニカ」(C)武田一義/白泉社
ペリリューの戦いを描こうと思…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル